本書のテーマは、企業の競争優位の構築の方法についてである。競争優位の構築のために、サービスプロフィットチェーンという概念を用いている。この概念は、従業員を満足させれば従業員は一生懸命働くので、顧客も満足し、顧客のロイヤルティがあがって、結果的に収益が向上するという鎖状の関係のことを言うようである。(サービスプロフィットチェーン自体は、筆者たちの前書で提示している)
本書での筆者たちの主張は、このサービスプロフィットチェーンの進化型として、OQ(オーナーシップ指数)というものが重要だということである。オーナーシップとは、従業員もしくは顧客が、企業のことをあたかも自分が所有する会社のように思う意識のことで、このOQが高いほど業績も良くなるという。
この主張は、米国の保険会社やホテル業、小売業などの事例で示される。
想定している読者は、経営者やマーケティングに関係する人であろうが、人事の担当者にも役に立ちそうである。
事例が、あまりなじみがない企業ばかりなので、日本人にとっては多少イメージが膨らませにくい。しかし、内容は考え方だけを提示するものではなく、具体的な日常のオペレーションの話もかなり含まれており、すぐに実践できるヒントも多い。また、サービス業を想定して書かれているようなので、私のようなサービス業に従事する者には、リアルに響く。しかし、製造業でもあてはまる内容ではないだろうか。