経済発展と急速な社会変動は、OECD加入国全体で、家族と子育ての様相を大きく変えた。この白書はOECD加盟20か国の乳幼児期の教育とケア(Early Childhood Education and Care, ECEC)についての報告であり、その乳幼児期政策に影響を与える社会的要因、経済的要因、概念的要因、そして研究の要因について論じたものである。ここで取り上げられていることのなかには、労働市場への女性の参入が増加している現状、女性も男性も同等に仕事と家庭の責任を両立させる問題、各国が直面する人口問題への対処等があるが、とりわけ、ECECの場の利用し易さ・質・多様性・子どもの貧困・教育環境条件の格差の問題に各国がどう取り組んでいるかが述べられている。このような問題への各国の対処の仕方には、その国の社会経済的な伝統、家族と幼い子どもについての理解の仕方、質の高い乳幼児期サービスがもたらす利益についての研究の蓄積など、たくさんの要因が影響している。
本書「OECD保育白書」は、2001年版の白書「Starting Strong」で概観したECEC政策の成功の鍵となる諸側面に、その後各国がどう応え、どのような進展があったかを報告している。ここではECECの新しい政策の取り組みの例が数多く紹介されている。結論として、本書は10項目の政策領域を提案しており、各国政府がこれらに注目するよう望んでいる。また、参加20か国のECECシステムの概観である各国概要が掲載されている。
本書は、子どもの発達、ワークライフバランス、乳幼児期の教育とケアの政策等に関心のある多くの読者に供するものである。
本書の対象となった国は次の通りである。オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、イギリス、アメリカ。
登録情報 |
|