チャーリー・パーカーほどアバンギャルドという言葉が似合うジャズマンも少ない。ジャズがどんどん進化し、革新的になっていく時代の渦中の人物であり、その自己破滅型の生き方ゆえ、目くるめく才能を消費してしまった天才でもある。パーカーのアドリブの断片から、どれほど多くのサックス・プレイヤーが示唆を受けたことか。ここでは1952年12月と1953年8月にニューヨークで録音された二つのセッションが収められているが、いずれも快調な演奏で吹きまくるワンホーン・アルバムであり、パーカーのインプロビゼーションを堪能するにはもってこいの内容といえよう。ザ・ソング・イズ・ユー、アイ・リメンバー・ユーといったスタンダードやチ・チ、ナウズ・ザ・タイム、コンファーメーション といったおなじみのナンバーで、イマジネイションたっぷりにに聞かせてくれる。パーソネルもアル・ヘイグ(p)、ハンク・ジョーンズ(p)、パーシー・ヒース(b)、テディ・コティック(b)、マックス・ローチ(ds)といった名手で脇を固め、リラックスした雰囲気の中で50年代に入ってからの屈指のプレイを見せている。「バード・アンド・ディズ」、「マセイホール」と並ぶ50年代パーカーの大傑作である。