もの凄い世界だ。
このレヴューを書こうとしてから、もう何度も手が止まり、
これを言語化して何になるのかな〜と呆然とすることしきり。
異国の、場末のキャバレーで、半分酩酊状態でゴスペル聴いてるみたいな、
しかもその国は実はどこにも存在してませんでしたみたいな、
書いてるこっちも何だかよく分からない世界が、
50分近くに渡って描かれている。
時間も時代も超越して、最早進化も退行も無くなった、
もう一つの世界。
少し、具体的な話。
いわゆる、フリーフォークの亜種みたいなポジションで括られつつあるようだが、
それらの流れとはシンクロしつつ、同時に激しく浮きまくってもいる。
いわゆる弾き語り、には近いが、ここではピアノ、アコギはもちろんながら、
フィールドレコーディングにより採取された音や、テープコラージュ、
若干のリズムマシーンなどが使用され、唯一無二の空間が構成されている。
その感触はザラついていて少し古びた雰囲気があり、
少しく退廃的で、アナログでも聴きたいな〜、と。
で、何より、歌。
このCocoRosieは別々の土地で生まれ育った姉妹のユニットであり、
一人は真剣にオペラの道を歩んでいたが、その厳格さに挫折したそう。
と、いうバックボーンのせいか、単純に歌が巧い。
いや、巧いってだけじゃないな、力がもの凄くある。
で、もう一人の、首でも締められてんじゃないかっていうくらいの
ストレンジな歌と相俟って、鳥肌必至の、
捻くれまくったゴスペルみたいな圧倒的な歌世界が現出している。
背景にはキリスト的宗教観があるようで、歌詞の随所にその片鱗が現れる。
が、ここについて語りだすには紙幅が足りないので割愛させていただく。
ともあれ音楽性に深く関わっているのは事実だろう。
なかなか言葉で表現するには難しい音楽だ。
どのくらい伝わったかどうかは分からんが、
あとは実際に聴いてみてそれぞれが判断してほしい。
賛否あれ、衝撃が走るのは確実ではないかと思う。
アントニーとデヴェンドラも参加しています。