ブライアン・イーノの企画によって実現したオムニバス・アルバムで78年当時のニューヨーク界隈のパンク・バンド群の中でもずば抜けてノイジー且つアヴァンギャルドな4つのバンドの楽曲を4つずつ、計16曲収録したもの。それにしても・・・これを当時聞いた人がどれほどの衝撃を受けたかは想像に難くない。だって、今聴いたってこれほどのパワーと狂気と色香を漂わせているものもそうはないと思うので。このアルバムを評する際にしばしば「極北」という言葉が使われることがあるけれど、文字通りの極点を記録した音塊ばかりで構成されていると思う。とりわけ凄いのがDNAとコントーションズ。シャープなギターをバックに声も枯れよとばかりに叫びまくり & サックスをハチャメチャに吹きまくるジェイムズ・チャンスのヴォーカルが凄い。楽器の音よりも彼の声の方がデカイというのが笑える。そしてDNA。今のアート・リンゼイからは想像もつかないような怒鳴りまくるヴォーカルに、次々に繰り出される弦がぶち切れんばかりにヒステリックに掻きむしるノイズ・ギターの連続攻撃と、不安感を増徴するような不気味なキーボードが束になって襲ってくるこれらの4曲は正にこのアルバムのハイライト。ほか演劇の音楽化を狙っていたというアングラ・アート臭漂うマーズや自作詩の朗読を我流のパンク・サウンドに乗せて聞かせる、リディア・ランチ率いるティーンエイジ・ジーザス等、壮絶極まりない音源ばかりで構成された永遠の名作。パンク、ニューウェーヴ・ムーヴメントが生み出した最大の問題作。