ボストンの重鎮HCによる6枚目。
90sUSハードコアのエッセンスを濃縮させて芸術的ともいえる暴力性を備えたスタイルは、
その完成度によりパンク/ハードコア・シーンのみならず幅広いファンから支持を得ている。
短命なバンドが多いこのシーンでこれだけ長く活動を続けられるのは、
音楽的な懐の広さと安定したレコードディールを持つ所以だろう。
The Accusedあたりのメタリック・ハードコアをグラインドコアよりにしたサウンドは、
リリースを重ねるごとに少しずつメタル色が薄れ、代わりにハードコア色が強くなってきた。
とはいえ、ポリリズミックなドラムを中心にした緻密な構成の楽曲は変わらず、
高い演奏力のもと凄まじい威圧感をもって聞き手に迫る。
1分台の冒頭4曲で疾走した後、ミッドテンポのインストを挟みタイトル曲の6にて爆発。
続く7、8はスラッジコア・スタイルで小休止。彼らにはめずらしいクリーンボイスで歌う8は、
ゲストボーカルによるもの。
また10、12で聞ける調子っぱずれな歌いっぷりは、The Jesus LizardのDavid Yowを思わせる。
11、13、14の終盤3曲の破壊力も壮絶だ。
Jacobのヴォーカルは発狂しながらもどこか憂いを備えていて、
そこはかとなく漂う哀愁はBorn AgainstやHis Hero Is Goneなどと通じるものがある。
プロデューサー/エンジニアとしても引っ張りだこのKurtによる、硬質で破壊力のあるプロダクションも
相変わらず素晴らしい手腕。
Jacobによる錆びたようなアートワークもかっこいい。
余談だがメンバーは全員ベジタリアン(Kurtにいたってはヴィーガン)。
SxEではないが、どこか音楽的にもストイックな印象なのはそのせいもあるのかもしれない。