五年越しの2nd。
耽美の大御所4ADからのリリース。
ボリュームたっぷりの大作だった前作と比較すると、全8曲と一見コンパクトな印象。
ですが、恐らくライブを通じて練りに練り上げたであろう楽曲は全て個性的で、質としてのボリュームを十全に感じさせる傑作に仕上がっています。
前作同様録音は若干弱いものの、ライブで気持ちよくこれらの楽曲を響かせていたと考えると興奮しますね。
と、前振っておいてなんですが、こんなん本当にライブで再現できんのかと言いたくなるほど、アレンジが凝っています。
パーカッションやギターノイズがスキをついて絶え間なく裏で鳴り響いているだけでなく、
曲構成も非常にトリッキーな曲が多く、かつ譜面に興すのを放棄したくなるようなアブストラクトな表現も多い。
そこそこの大所帯バンドですが、この情報量の多さをどうクリアしているのか、気になるところです。来日してほしいわ。
取り敢えず何を差し置いても聴いて欲しいのはM2「I Just Want To See Your Face」。
異様にセンスのいい、目の回るようなコード進行が高速で展開される中でリーナ嬢のボーカルが囁くさまは堪らなくセクシーでクール。
いったい人間のどのアタリの感性を駆使したらこんな楽曲が出来るのか、見当が付きません。
そのほかにも、ノイジーなロックM3、M5、ダウナーなM4、M6、どこかしら狂的なノリの打ち込みM7、牧歌的なエピローグのM8、
といった具合に必要最小限の曲目数で、見事にアルバムとしての満足感を味あわせてくれます。
4ADらしく妖艶な雰囲気も健在。
期待を裏切らない傑作と言い切れます。
2010年前半期で多分一番聴きこんだアルバムであり、一番入れ込んだバンドです。
創造的な多くのバンドがそうであるように、特定のジャンルに収まることに抗うかのような強い熱意と主張を感じます。
まあシューゲイザーなんていうカテゴリーがなければ出会えなかったのも確かですが、
彼らに関しては、何かしらのジャンルに安易に納めようとすること自体違和感を覚えてしまう。
非常にマイナーなだけに、応援したい。同士待ってます。