TOKYO NO.1 SOULSET、約3年ぶりのニュー・アルバム。
90年代の活発な活動と比べて00年代もあと数年で終わる中なんとこれが2作目である。
ただ前作は6年ぶりだったのでそれを考えると個人的にはこれでもいいと思う。
3年のタームで発表するアーティストも今では日本でも珍しくはない。
このアルバムについてだが、はっきりいってこのキャリアで?と思うほどみずみずしく
また洗練されたトラックが光る傑作になっていると思う。もう1曲目の「Innocent Love」からして凄い。
どういう風に凄いのかというと、もう始まりから「美しい」と素直に形容できる歌声が響き渡り
一気にその世界観に引き込まれる感じ。サウンド的にもキラキラとした、だけど艶っぽさも光る
トラックになっていて、歌詞とサウンドの一体感が半端ではない。途中にBIKKEのポエムが
「控えめ」に、必要最低限の感じで挟み込まれているのもカタルシスを感じる。
個人的に「隠せない明日を連れて」以来の名曲であると判断した。
しかもこれだけがキャッチーという訳ではない、いってしまえばもう全曲キャッチーなのだ。
もう全曲がド真ん中!って感じ。また緩急も見事に付けているのでゴリ押しでもない。
直接シングルカットはしてないのになんだろう。この全曲がシングルみたいな感覚は。
こういう綺麗なとこどり、みたいな作品はけっこうしつこく、コテコテに響く危険性があるけど
この作品からはそういうエッセンスは全く感じない。次々と噴水のように溢れてくる
宝石のようなメロディと渡辺俊美の歌声、そしていつもより淡々としたBIKKEのポエムの絶妙な絡み具合。
こんなものを12曲も聴かされたらそれはもう、完全にウットリしてしまう。
「Please tell me」のサビのリフレインぐあいと巧妙なリズムは相当気持ち良いし、
「Rain Bird」なんて本当にタイトルから予想した通りの艶っぽさ。
具体的にいうよりも抽象的に言った方がしっくりくるような音楽、アルバムだと自分は感じた。
最高傑作、という言葉はあまり使いたくないが(それぞれに思い入れがあると思うので)、
取りあえずメロディーに関しては一番良いと思う、ということだけ断言したい。
ソウルセットは長年聴いてきたけどこんなアルバムはなかった筈だ。素晴らしい。