ニコレット・ラーソン、78年発表のデビュー作です。ニール・ヤング作の1、ジェシー・ウィンチェスター作の2をはじめ、秀逸なカヴァー(10のように彼女のために書かれた曲もあります)が多いのが特徴となっています。個人的な思い出として当時中学生でお金がなかったためこのアルバムは友人からテープに落としてもらい、以降四作目までのアルバムはアナログで購入。その後しばらくご無沙汰していたのですが、映画「ツインズ」でジェフ・ベックとの競演を目にしたのを機に再認識して、本作を改めてCDで購入しました。改めて聴いてみてその間に耳にした様々な音楽の影響からか、サム・クックの3や、アート・ガーファンクルのカヴァー(「シザーズ・カット」に収録されていますが、いいアルバムです。未聴の方はぜひ一聴を)で聞いたことのある人もいるであろう9なんかが以前とはずいぶん違う印象でした。彼女の場合、本作以降のアルバムについては必ずしもそのどれもが両手離しでというわけにはいきませんが、クレジットに名を連ねるミュージシャンや、当時の雰囲気を十全に伝えている(という気持ちにこちらをさせてくれる)ジャケットの、溌剌とした笑顔に、このアルバムがウェスト・コーストの最良の時間を切り取ってくれているような気持ちにいざなわれます。