本書はTOEICの点数を上げるための本ではありません。
実践的な英語を勉強しているので、TOEICに特化した対策は何も書かれていません。
TOEICはペースメーカーに使っているだけです。
本書には著者のトレーニング時間約5250時間、スコア850点に至る力学の軌跡が書かれています(本の最後に875点になったと書かれているが何故かそのときのトレーニング時間は書かれていない)。著者はこの間に23回ものTOEICを受験しており、トレーニング時間とスコアの関係が明確になっています。これは非常に参考になります。
この本を読んでも分かるように「楽々英語習得」なんてのはありえないのです。英語は時間をかけるしかないのです。結局は正しい方法で1000時間単位のトレーニングを続けるしかないのです。
(TOEIC対策だけで短時間に点数だけを上げる人はいるだろうけど、それでは使える英語は身に付かない)
ただし、著者と同じことを一般の人がするのは難しいと思います。著者は一日平均4.2時間ものトレーニングを社会人になっても続けています。これは、著者がかなり楽な会社員生活を続けていたからこそ可能なものです。著者は午前10時に出社して、午後6時には退社しています。こんなに楽な会社に勤めている人は珍しいのではないでしょうか。
それと、著者に潜在的な才能があることも差し引く必要があります。著者の最初のTOEICは335点です。しかし、それ以前に著者がホームステイしたとき、彼は英語のテープを丸暗記してホームステイ先のおばさんと意思の疎通をきちんと行っています。TOEICの点数が低いときでも、著者はコミュニケーション能力と言う点において能力が高いと言えます。TOEIC335点でこんなことができる人は少ないのではないでしょうか。ただし、著者のこのような才能は日本の受験勉強では無視される要素です。如何に日本の英語教育が駄目なのかがよく分かったこともこの本を読んでよかったことです。