ヴァージン・プリューンズが自分たちの方向性を明らかにするため、7部からなるパフォーマンス・シリーズを開始したのが81年。この作品は、その1部から4部までを収録する「音楽部分」の成果にあたります。この頃のインタビューによると、パンクのステージに登場し、(ロックと言うより)演劇的パフォーマンスを行う彼らには否定的な評価が大きかったようです。
音楽の形態をとっておりますが、緩やかなリズム、あるいはノイズの上を叫び、のたうち回るようなものが多く、どうしても彼らの「姿」を想像しないわけにはいきません。メイン・パフォーマーであるギャビン、グッギの出で立ちは、モノトーンのドレス、ワンピースを着た上に、それをドロドロに汚すか引き裂いた衣装が多かったようです。この奇怪な音楽は、何かを啓蒙しよう、決まったメッセージを伝えようという意図より、純粋に観客とコミュニケーションし「変わろう」という意図だったみたいです。子どもの頃からメンバー同士で架空の世界をつくりながら遊んでいた彼らにには、スポンティニアスな行動だったのでしょう。その分、聴き手を選んでしまう音楽です。わたしは彼らの音楽をグロテスクであるものの面白いと思いますし、何よりビジュアル部分に共感するところが多いです。
Disc1には、7インチ、10インチ、12インチで発表された1部から3部を収録。Disc2に収録されているのは、81年11月に行われた美術展、パフォーマンスの様子です。映像がないと若干つらいのですが、ほとんどが不気味な子どもの声のテープループを使ったパフォーマンスのあと、「THE CHILDREN ARE CRYING 」を演奏しています。この会場で流されたビデオ作品がかつて流通しておりました。衣装を着たチラガーみたいなオブジェや、糞尿が食卓に供されているインスタレーション、部屋の中をウサギが飛び回る映像など。夢に出てきそうで二度と見たくありません。この美術展開催が、A New Form Of Beautyの5部にあたります。6部に映像作品、7部に書籍が計画されておりましたが結局そのふたつは実現していません。
彼らの行動、作品は「子ども」あるいは「虐げられた子ども」を題材にしたものが多いです。プリューンズを理解する上でのポイントだと思います。