ダブ・ステップ・シーンでは世界的な知名度を持つGOTH-TRADの個人名義としては
4枚目のアルバム。
過去2枚のアルバムでは、エレクトロニカ風味を持つノイズ・アバンギャルド音楽
では披露していた。
今回はダブ・ステップに特化したアルバムとなった。
正直、現在のシーンを俯瞰しながら今回のアルバムを通しで聞くと、
「イマイチ」な感がある。
そもそもダーク&ミニマルなハーフ・ステップ、つまりkrypticsを筆頭とする
暗黒連中の音楽が個人的に好きだ、というのもある。
perverse,biome,sleeper,などのシングル攻勢に加えてInnaMindレーベルの
コンピレーションに代表される不穏、ミニマル、ダークを基本スタイルとする
ステッパー達の音楽を聴いていて、これを聞くとともかく「軽い」のだ。
耳をスルーっと通り過ぎていくような感覚。
所謂リスニング系。
リスニング系であっても、例えばkrypticsなどは、最早映画のスコアと言っても
差支えないほどBGM化しているが、そこにある不穏感のキャッチーさは
全く軽くない。この違いは何なのか。
かつてYMOがテクノ・ポップを世界へ示して、その影響を受けた
cabaret voltairやブレイク前のhuman league などがこぞってアルバムを
リリース。
比較して驚いたがオリジネイターであるYMOの音の何と軽いことか。
少しそれを思い出した。
もう少し期待していたのだが。。。
かつてノイズ音楽をやっていた時期のナイフのような研ぎ澄まされた感覚が
ここには無い。
ダブ・ステップが面白い!と思ってやり始めたのだろうが、そのポイントが違う。
欧米を中心として上記のような「リスニング系」とEXCIONを筆頭とする「ガ・ガ・ガ系」と
二つの流れがあって、別にダブ・ステップに飽きた連中がテクノをやり始める
パターンの、そんな流れがある。
GOTH-TRADにはそういうのとは全く別物、独自路線で何か作ってもらいたい、と
思っていたが、何だか普通。残念。
どうやら、腰の軽そうな人だから、次回作はダブステップとは全く違う音楽を
作ってくれると、期待。腰が軽いのは決して悪くないが、音が軽いのはいただけない。