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最も参考になったカスタマーレビュー
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
クラシックとして残るファンタジー,
By
レビュー対象商品: The Name of the Wind: The Kingkiller Chronicle: Day One (マスマーケット)
さびれた村の宿屋「Waystone Inn」の店主に身をやつしているKote(コート)は、実は「王殺し」として悪名高い、伝説の魔法使いKvothe(クウォーテ)だった。彼の真相を知るのは弟子のBastだけだったが、平和な村に不気味な出来事が起きはじめ、それに引き続いて伝記作家がKvotheを追って宿屋に現れる。最初は伝記作家の申し入れを拒否していたKvotheだが、すべて彼の言葉のまま記すという約束のもとに彼の半生を語り始める。「The Name of the Wind」は、彼が3日にわたって語る半生の第1日目の部分である。 天才的な頭脳と音楽の才能に恵まれていたKvotheは、幼いときに謎のChandrianに両親を殺され、ホームレスとして生存のためだけに戦う。そこからようやく抜け出し、「University」に最年少で入学することに成功したが、才能があるゆえに敵を作り、体制を重んじない頑固で潔癖な性格のために何度も危機に陥る。 音楽を愛し、好きな女性に告白できず、弱者には優しい少年が、最もパワフルな魔法使いになり、悪名高い「王殺し」として伝説化し、ついに魔力を失うまでの波乱の人生を描く超大作。 ハリー・ポッターと比較する者も多いが、この作品は作者のRothfussが20年かけて書き上げたものであり、ハリー・ポッターから影響を受けたと思える部分はない。また正義感が強いという意味ではハリーと似ているものの、Kvotheは自分のサバイバルのためや嫌な奴への復讐のためであれば平然とルールを無視する欠陥がある。だが、天才的な能力を持ちながらも、好きな女性の前では典型的に「自信のない少年」になってしまう人間的なヒーローに、読者はかえって親近感を覚え、魅了されることだろう。 クリスマスにアメリカ人の甥(19歳)にプレゼントしたところ、これまで一度も電話をかけてきたことのなかった彼が興奮気味に電話で「すごく良かった!次の巻はいつ出るの?」と 報告してくれた。 ストーリーの展開だけを追わないで、それぞれの場面を登場人物と一緒になって体験してみてほしい。 「Quill Award」受賞作。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人物造形、ストーリーテリング、世界設定いずれも5つ星。特に細かい設定に目がない人、SFも好きな人は絶対ハマる。,
By ハリポタは完成されたファンタジーだし、大人が読んでも面白いが、あくまで児童文学として書かれている。差別などの社会問題や戦闘シーンはあえて適度にぼかされているし、ハリーがほとんど大人になってもセックスしたりしない。 それに対してこのKingikillerシリーズは、大人(ヤングアダルト以上)向けに書かれたファンタジーである。世界設定(中世〜近世ヨーロッパ風)に当然付随する、差別などの社会の負の側面をくっきりと描いている。戦闘描写はリアルに痛そうだし、セックスもおおっぴらに出てくる。同じファンタジーでもジャンルが違うのだ。 ストーリーの本筋は、幼い頃にすべてを奪われた主人公の復讐の物語である。暗い部分はとことん暗い。ただ、暗い部分と明るい部分が交互にやってくる構成になっているので、暗すぎて読んでいられないということは(たぶん)ないはずである。 物語は、(王殺しとして悪名高い偉大な魔法使いのはずなのに)なぜか片田舎の宿屋の主人に身をやつしている主人公が自らの人生を語るという形の一人称で記されている。もっとも、ページの比率で言えば過去98:現在2くらいになるが。 主人公のKvotheはオールマイティな天才な上にハンサムなナルシストで、はっきり言って近くにいたら鼻持ちならないやつに違いない。おまけに倫理観もちょっと欠けていて、モラルにこだわって目的の達成をしくじるようなことは決してない。ルール破りを反省もしない。 しかし、読者はKvotheの不幸すぎる境遇を知っているのでばっちり感情移入できる。Kvotheが数々のピンチから魔法の才能や機転や口先のごまかしや嘘を駆使してぬけだす様はめちゃくちゃ痛快である。シブいおっさんが主人公のファンタジーもいいが、若い天才が起伏の激しい人生の絶頂期をドラマチックに駆け抜ける物語はやはりエキサイティングだ。 また、世界設定が非常によく作りこまれている。 作中世界では黎明期の科学と魔法(みたいなもの)が共存している(ちなみにKvotheはUniversityでどちらも習う)が、「魔法」の方の論理にエネルギー保存則や質量保存則がしっかりと組み込まれているのがFとSFどちらも好きな読者にはたまらない。高校程度の物理や化学をしっかり理解しているとニヤリとできる描写が多く出てくる。 また、歴史や文化人類学や神話といった分野に興味がある人が楽しめる設定も盛りだくさんである。数千年前に滅びた謎の大文明、一神教を広めた帝国、遠隔地のまったく独自の文化、古代の神話や英雄譚など、どれも非常にリアルに作りこまれていて、著者がそれらの分野に精通していることをうかがわせる。 シリアスなファンタジーファンは必読のシリーズである。ただし、あまり設定などに興味がなくて話がどんどん動いたほうがいいという人にはちょっと退屈かもしれない。700ページ近くある上に、話が本筋からしょっちゅう脱線するからだ(その脱線が作中世界とKvotheの人生にリアリティを与えているのだが)。 最後に1つ。作者はブログを運営しているので、作者のファンになった人はチェックするといいかもしれない。作品についての質問についてもたまに答えている。たとえばKvotheの発音。日本語訳だと「クォート」となっているようだが、作者によれば「クヴォート」(トはthの音)が正確らしい("Kvothe pronunciation"で検索すればブログの記事が出てくるはずである)。
5 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
かなりお喋りな作家です,
もうすでに翻訳が出ています。三分冊なので英語が読める人は原書のほうがかなり得ですね。 英語自体はプレーンで癖がない文章です。 600ページ超ですが、仕事の合間に読んでも1週間以内には読み終えることができました。 内容は、レビューのタイトルにも描きましたが、非常に饒舌な作家が饒舌な主人公を描いています。 途中、うんざりしたりもしますが、全体的に見るとなかなか楽しめると思います。 ハリーポッター云々という宣伝文句がありますが、確かにこの巻で描かれているのは、 学園生活(というか大学生活)がほとんどです。 主人公にしつこく嫌がらせをする金持ちの生徒や、主人公を憎んでいる先生など登場として なんだかんだいってハリーポッターを研究したのかなと思わせます。 ハリーポッターと違う部分は、憎まれたり嫌がらせをされたりする原因の半分くらいは主人公本人にある、というところでしょうか。 構成は、引退した元有名人が半ば強制的に(?)自らの人生を語らされるというものです。 老子方式ですね。 なんと、この分厚い本をすべて読んでも、その話は15歳くいまでしか到達していません。 副題にDay1とか書いてあるところを見ると、この調子で約束した三日間(自分の人生を語るには三日必要だ、とか本人が言っちゃうのです)つまり三冊つづくのでしょうか? 個人的には、半分位から物語の中心になる恋愛が、本当に邪魔くさいのですが、それでもつづきが出たら(そうです。まだこの続編が原書でもでてないのです)買うに違いないと思います。 翻訳版は表紙の絵がなにですが、ハリーポッターのちょっと大人版を読みたい人はぜひ挑戦してみてください
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