上目遣いで何処となくふてぶてしい表情のジャケット写真とは裏腹に,ファルセット・ヴォイスを駆使したナヨッとした・・・失礼,甘美なバラード路線は本作も健在。
ウィスパーズ「Living Together In Sin」をサンプリングした冒頭の「All Because Of You」も,爽やかなアップテンポで素晴しいが,ハイライトは中盤。
サビのファルセット・コーラスが印象的なタイトル曲「Naked」,シルキーで夢見心地な「Do You Mind」,爽やかだが何処となく感傷的なフレーズをループした「Chest」,マイナー調のグルーヴィーなメロウ・チューン「I Wasn’t Ready」の4曲の出来は秀逸。ヴォーカル・スタイルにも幅が出ており,「Chest」ではラップのように流麗に歌い出し,「I Wasn’t Ready」ではファルセットに依存することなく,しなやかな身のこなしでエモーショナルに歌い上げている。
エンディングの「Everything」も秀作で,素朴だが心温まるバラードをソウルフルに歌い上げる厚みのあるコーラスが郷愁を誘う。
R&B本来のビター・スウィートな雰囲気やディープなヴォーカルは望むべくもないが,心癒されるグッド・ミュージックであることは間違いない。