篠山紀信という写真家は時代を演出するのがうまい男である。写真も若い女性を撮るかと思えば、歌舞伎という古典芸能まで手がける。結局三島の自殺で出版されなかったが、三島由紀夫を撮った幻の写真集もある。その彼が若い女性の写真がここまで氾濫している時代に、あえてこれまでの作品を集大成することで、その原点を問う作品群である。樋口可南子を被写体にした”Water Fruit"で多大なhair論争を巻き起こしてhair解禁に至らせ、当時のTop Idleだった宮沢りえを被写体にした写真集”Santa Fe”ではブームを巻き起こしたことは、よく知られている。常に”今”を感じ続けた男も来年で70歳、古希である。彼と一緒にもう一度写真の原点について考えてみたい。