1990年代、NTTはデジタル化やIT(情報技術)革命に対応し、事業・収益構造の転換を図った。96年には常時接続サービスとダイヤルアップ接続サービスを提供する「OCNサービス」を始めるなど、マルチメディア時代をにらんでサービス事業の確立を目指す。分離・独立したNTT移動体通信企画(現NTTドコモ)が事業を進めた携帯電話は「iモード」の登場などで爆発的に普及。通信市場が激変する中、インターネットと携帯電話は、NTTが成功させた大ヒット商品になったと振り返る。
99年、NTTは持ち株会社制によるグループ運営へと移行。同時に、収益基盤が脆弱な地域会社の構造を立て直すため、人的コストの削減に着手する。2001年11月、東西地域会社などで計10万人以上の人員異動を開始。一度退職後、再雇用契約を結び、2~3割減の賃金で最長65歳までの契約社員制を取るなど、雇用形態を多様化しながら人員再配置を進めた。
激動の6年間を、「市場で何が起きていたか」「NTTはどう対応したか」を当事者の目で詳細に記している。
(日経ビジネス 2003/06/02 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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読者対象は、NTT関係者等の主に通信業界に身を置く人としているように思われる。加えて、「電電公社」という名前に記憶があるが、通信業界に対して詳しくない人であれば、いつの間にやら同公社が「NTT」となり、「東日本」「西日本」等に分割されていたという感じをお持ちと思うので、そういう人にとっても、その経緯を知ることができると思われる。
尚、家族がNTT株の株主となり大損をさせられた者としては、INS(Ittai Naniwo Shitaino)の不発、国際通信会社の買収失敗、米国ベリオ社の高商い などのその時の著者の判断若しくは考えについての記載(及び反省の弁)が欲しかった。
アタッカーは、アタッカーでさまざまな攻め口や考え方があったのかもしれない。が、大NTTグループを一大転換させた大いなる経営者としての思想が伝わってくる一冊であった。
今のめまぐるしい状況は所与であるかもしれないが、通信業界も含め、何事にも歴史はあり、そして、経営者たるもの、鮮烈にどうしたい、どう考えるということを表明すべきである。宮津氏はそれをやった。
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