ある意味豪華な「書き下ろし」SF短編集も遂に6作目に突入しました
今回は比較的新人の作品が多かったです
斉藤直子著「白い恋人たち」
もはや、このシリーズの常連さん。三度目の登場です
「ドリフターズ」の姉妹編
最近、「だてマスク」が主に若者の間で流行っています
本作ではそれがさらに進み、頭部全体をマスクで覆うことが流行
風刺的な内容かとおもいきや、ドタバタラブコメ的な展開をみせ、楽しかったです
七佳弁京著「十五年の孤独」
著者の作品を読むのは初
軌道エレベーターを15年掛けて人力登攀する話
抑制された文体が作品の雰囲気とよくあっていました
独創的だが、奇想ではないアイディアが秀逸
蘇部健一著「硝子の向こうの恋人」
王道というか古典的なタイムトラベル・ロマンス
パラレルワールド型が最近多い気がしますが、本著は決定論型
松崎有理著「超現実な彼女 代書屋ミクラの初仕事」
著者がデビューから書き続けている「北の街」を舞台にしたシリーズの一編
ミクラ氏はキャラが非常に立っている
もの静かな街の雰囲気からは突出しており、シリーズの良いアクセントになっていて好きだ
高山羽根子著「母のいる島」
著者の作品を読むのは初
小さな島に住む大家族(十六姉妹)の話
パワフルでした
船戸一人著「リビング・オブ・ザ・デッド」
人の感情の動きを読む装置の使用や情動サプリの服用で、その場の空気に合わせ感情を制御できるようになった社会での高校の演劇部の様子が綴られる
アイデンテティの基盤の揺らぎを描いた作品かなと思います
個人的には個性って、そんなに重要なのか疑問に感じています
一部の人たちにとって個性は非常に重要なものだということはわかりますが、無個性は構わない無個性で構わないとも思います
樺山三英著「庭、庭師、徒弟」
どうも作品に馴染めず、完読できませんでした
北野勇作著「とんがりとその周辺」
北野氏も本作で三度目の登場
でも、今作は社員ものではなく、ロードムービー的な内容かな
つかみどころの無い作品なので上手く説明できませんが・・・
牧野修著「僕がもう死んでいるってことは内緒だよ」
3.11を意識して書かれた作品のようです
宮部みゆき著「保安官の明日」
あまりにも手垢のつきすぎた題材で、最初はいまさらこんなの書くかと思ってしまいました
しかし、後半の展開が予想外すぎました
世界の謎が説明された後こそが、本作のみどころです
決して突飛な方向へ展開する訳ではありません
宮部氏だからこその重厚な仕上がりでした