Disc 1は、シネイド・オコナーの2ndアルバムにして彼女の名声を決定づけた名盤(1990年発表)。プリンスのカヴァーである6曲目が注目されがちだが、その他の曲も素晴らしい。きわめてプライヴェイトな歌から時事的な問題を扱った歌(サッチャーや天安門事件への言及が時代を感じさせるがメッセージは今でも通じるものだ)まであり、サウンドもきわめてシンプルなものから現代的なものまで多彩だ。だが、なによりも印象的なのは、彼女の歌声である。今回のリマスターで、楽器の音がクリアになったのはもちろんだが、神秘的な静謐さから荒々しい力強さまで振り幅が大きく単に表面的に美しいというのではなく深みのある彼女の歌声がさらに魅力を増したのが良い。
Disc 2は、レア・トラック集。1曲目は、ダニエル・ラノワのプロデュースによる未発表曲。2曲目は、1991年5月にシングルとして発表されたオコナーのオリジナル作品。イリン・パイプスとホイッスルでリアム・オフリンが参加。3曲目と9曲目は、1990年10月のシングル“Three Babies”のB面に収録されたもの。4曲目(「きよしこの夜」)は1991年12月にシングルとして出されたもので、ここに収められたロング・ヴァージョンは映画“The Ghosts of Oxford Street”のサントラから。ピーター・ゲイブリエルがキーボードを担当。5曲目は1990年発表のコール・ポーターのトリビュート・アルバムより。6曲目は、ジョン・レノンの有名曲のカヴァーで、これまで未発表だったもの。7曲目はオコナーのオリジナルで、8曲目とともに、1990年7月のシングル“The Emperor’s New Clothes”のB面に収録された。10曲目はBBC Radio 1の番組のために1990年5月25日に録音されたライヴで、CDとしてはこれまで未発表だった録音。
少々残念なのは、オコナーには珍しく歌詞がついていないことくらいか。