<マクベス>
舞台は緞帳のかわりに鏡張りのパネル。
鏡は三方に巡らされ、劇の中で効果的に使われているし、舞台の道具類、照明、音響等すべてが迫力に満ちていました。蜷川が、大竹しのぶという実力派キャストを駆使して作り上げた舞台の絶妙さ。あらためて舞台のすばらしさを実感しました。
大竹しのぶ扮するマクベス夫人はマクベス(唐沢)をそそのかして、主君ダンカン王を殺害させます。殺す時には夫より肝が据わっていたマクベス夫人ですが、ダンカン王の亡霊に悩まされ、夜中に夢遊病のように歩き回ります。そして、マクベス夫人が手に付いた(と本人が思っているだけの)ダンカン王の返り血を落とそうと、手をこすり合わせる場面になります。大竹しのぶは、最初夫思いで、次いで気丈で、最後は気がふれてしまう夫人を見事に演じ分けます。
<コリオレイナス>
舞台は大半が階段。その階段がとてもうまく使われていました。ただし、役者さんには上り下りしながらの台詞回しがキツかったようですが。
こちらは唐沢さんのコリオレイナスが良かった。
最初英雄と称えられたコリオレイナスは民衆によりローマを追放される。その後、復讐に燃えるコリオレイナス、母に説得され子としての孝を優先する彼、しかし、孝を優先したため殺害されることになる彼、どれも良かった。
この劇はコロッと意を翻す市民が怖かった。現在と同じだなと・・・。所詮政治は民主主義では成り立たないのではないかと不安になった。脚本はこちらのほうが好みでした。