私が中学生の時に、1年間にわたって月1回(1980年4月〜1981年3月)テレビ放送されたNHK特集「シルクロード〜絲綢之路」。
それまで見たことのない自然・街・オアシス・遺跡の数々が、石坂浩二さんのナレーションと喜多郎さんの音楽を伴って紹介され、私は画面に釘付けになったように観ていた。
ご存じのように、中国は近年の経済・産業発展で沿岸部から内陸部へと開発が進められている。
そのため、このDVD集に収められている光景や人々の生活は、今や見ることが出来なくなってしまったものが多く、往時の記録映像集として大変貴重。
敦煌莫高窟の仏教美術、黒水城の大蛇伝説、楼蘭王国遺跡の幼子のミイラに添えられた網籠・・・等々、印象深いシーンが盛りだくさんだ。
井上靖・司馬遼太郎・陳舜臣(いずれも故人となられた)各氏の出演シーンもあるが、特典ディスクとして3氏へのインタビュー映像「シルクロードを語る」が付いているのは非常に嬉しい。
なお、このDVD集はデジタルリマスター版だが、元の記録映像自体が古いものであり、現在のようなハイビジョン録画方式も無かった頃のアナログマスターテープより編集されたものなので、再生映像の鮮明度は高くない。
しかし、デジタル編集時に無理に再生映像の鮮明度を上げる加工処理を行うと、映し出されているものの本来の色彩がかえって失われてしまう。
DVDに収録するにあたり、マスターテープに残されていた色彩を出来るだけ忠実に収録する意図だったと考えられ、私はそれは至極妥当だと思う。