平均視聴率は歴代大河で最低という14%そこそこだというが、当時は今と比べると数字が出やすかったらしいので(詳しいからくりは知らない)、現在の感覚だと一桁でもおかしくないところなのだろう。琉球の風、炎立つ、と続く実験作ということだったそうだが、たしかに物語も後半になると低視聴率も手伝ってか視聴者置き去りで作り手がやりたいことをやっているような感じも見受けられる。
でつまらないかというと、そんなことは全くない。松たか子(今と顔が違う)が可愛かったし、なにより応仁の乱に至るプロセスがこと細かく(作者による脚色を当然含むが)描かれ、物語世界にはまると抜け出すことは困難だ。ただ逆に言うとこと細かく描かれた応仁の乱の複雑怪奇で陰湿な人間模様を含んだ顛末が、一般視聴者をテレビの前から遠ざけたのも事実なのだろう。個人的には知る人ぞ知る室町時代の大立役者、細川政元の姿が生き生きと描かれていたのが評価できる。
物語の最後、主人公・日野富子の死となるわけだが、「信長の上楽まで72年」というテロップが出る。個人的な憶測だが、91年太平記、92年信長に続く「室町三部作」の完結との思いがNHK側にもあったか。しかし太平記は皇室問題もろもろで「大変記」と呼ばれ、この花の乱は歴代最低視聴率。戦国物とは一線を画した「室町物」が今後NHK大河で放送される機会はきわめて遠いのかもしれない。