過激な言葉を書くことになるので、先に謝っておきます。さて、全編通じて特に酷いシーンを2つ。1つ目が夫を亡くした江への「最初から居なかったと思えば良い」という無神経発言。2つ目が秀忠が関ヶ原に間に合わなかったことを聞いて笑う江。「超然とした姫様」を表したかったのでしょうが、その背後にある沢山の兵の死など念頭にありません。この世界には、江や秀忠など、名のある人しか住んでいないのでしょう。この2つのシーンから分かることは、スタッフに、「『人間一般に対する愛情』が欠けている」ということです。だから前者のような視聴者を唖然とさせるセリフが出るのでしょうし、後者のように名も無き人が無視されるのです。そもそも勝家が殴ってまで教えた「上に立つ者の心」はどこにいったのでしょう。伏線という言葉を知らないのでしょうか。技術的にはもちろん、感覚的にも幼稚なスタッフとしか言えません。中には「歴史解釈の問題」のように言ってこのドラマを擁護する方もいらっしゃるようですね。確かに、いくら事実を積み重ねても、それだけでは真実には辿り着けないかも知れません。しかし、堅牢な事実の積み重ね無くして決して真実に辿り着けないのも確かです。このドラマは、「有り得ないでしょ」と一見して分かる「事実群」を並べ立て、自分達に都合の良い「真実」を構築していっただけです。もはや「解釈」などという高度な話にもならない、「妄想」にすぎません。要は「歴史ドラマ」としても「人間ドラマ」としても失敗しているのです。私は、これから映像の世界を目指す人には、この作品を観てほしいと思います。それは、「失敗の本質」が山積しているからです。このような作品が量産されては日本文化の損失です。二度と同じ轍を踏んではいけません。この作品は「史上最低の大河ドラマ」です。このドラマを観て「大河を観た」などと思わないで下さい。それでは、大河50年の歴史と人々の夢や努力に泥を塗ることになります。