39 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
当時のワクワク感がリアルに蘇ってくる、DVD化に感謝!, 2009/3/29
レビュー対象商品: NHKスペシャル 電子立国 日本の自叙伝 DVD- BOX 全6枚セット (DVD)
コンピューター屋のハシクレとして、91年当時の本放送をワクワクしながら見たことをよく覚えている。あんな企業機密をよくぞ公開してくれたという驚きもあったし、歴史や伝説の中に埋没しかかっていたビッグネームが続々登場して貴重なエピソードを披露してくれた感動もあった。
だから、アーカイブとして後世に残し伝える意義や価値は十二分にあると確信しつつも、ノウハウ流出を恐れる企業サイドなどから待ったがかかるかもなぁ、と半ば諦めていた。それだけに、DVDソフトとして蘇ったことには、多くの関係者の努力や決断があったものと素直に感謝したい。
全6巻、エピソードとしてはいちおう各巻毎に独立してはいるが、やはり全巻を順番に通しで視聴するのがいちばんだ。
相田ディレクター(お若い!(笑))の軽妙な講談調の語りも、三宅アナ(ますますお若い!(爆))の戸惑いやうろたえぶり(失礼!)も、ともすれば小難しくなる典型的理系のテーマをなんとかお茶の間にわかりやすく届けようという非常な努力の賜物である。当世の学生や新入社員向けの教材としても意外にお役立ちかもしれない。
それにしても、放送当時はまだWindowsもMacも、ケータイすらもまともに登場していない。だから“マイコン”なんて死語がかえって新鮮だ。ICやLSIの基本概念や構造はそんなに変わっていないはずだが、“ムカデ石”1個の容量がこの当時はまだようやくメガバイトになったばかり。現代の数ギガバイトなんて話になったら、“相田講釈”はどう変わるものやら。
いやいやそれよりも、無我夢中の興奮と情熱に溢れた開発研究競争が過去のものとなってしまった現代の方がむしろ、この種の番組の制作は困難だろう。あのワクワク感をリアルに味わうことなど、もはや空想物語なのかもしれない。
36 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「ビジコン」社にかかわった者として。, 2009/4/21
レビュー対象商品: NHKスペシャル 電子立国 日本の自叙伝 DVD- BOX 全6枚セット (DVD)
★〜“未知・クリエーティブな「こと」”を全く評価出来なかった政治家・官僚・大企業・・彼らの愚かさの証明・・それが世界初の“MPU”開発 〜★
ビジコン・グループ(小島社長:日本計算器含む)はマイクロプロセッサ‘MPU’の開発で取り上げられることが多いのですが、既に同時期、液晶ディスプレイやバブルジェットプリンタ の開発も熱心に手がけておりました。
液晶は、時計のディスプレイ(世界初の実用製品)として、三越百貨店(岡田社長)より発売され、バブルジェットプリンタは、NCRのサーマルプリンタ技術に触発され普通紙ノンインパクトプリンタとして実用化に向け開発途上にあり、同様のプリンターを高千穂交易がドイツABディック社から輸入していましたが、共にコンシューマユースには未完成な状況でした。 なお、小島社長と米国NCRのCEO:William S. Anderson (1973-1995)氏とは、彼が香港在住中から交流がありました。
この様に、当時のビジコンGには‘チャレンジ精神’に溢れた若い研究者がおり多くの成果をあげておりましたことも是非知って頂きたいと思います。
〜 研究者の皆さんは京セラ・堀場製作所・TI 始め国内外の企業に移られ今もなお活躍しておられます 〜
マイクロプロセッサ‘MPU’の開発は、三菱電機が米国「TRW」社より技術導入し、同社鎌倉製作所(太田所長)で製造した‘M1530’が、それまでのワイヤードロジックから大幅にソフトウエアロジック(現在の‘ファームウエア’に相当する)の概念を取り入れており、当時のビジコン汎用コンピュータ保守技術者はこのことを良く知っていました。 ‘M1530’は、ポラリス型ICBMを搭載する原子力潜水艦に積載する目的で開発された制御用のコンピュータであり、極力コンパクトに造る必要があったため、この様な設計思想を採用したと思われます。
〜‘M3100’は‘M1530’の周辺装置を変更した廉価リメイク版であり、アーキテクチャー&ロジック はほぼ同一です 〜
当時、同製作所ではロッキードF104J戦闘機の電子装置をノックダウン生産しており、その部品の中に‘IC’が含まれていた? 記憶があります。
一方「モステック」社は、MOS型LSIの高密度化技術を持ち、12桁の「1チップ」低消費電力のLSIをビジコンの依頼で開発しました。 ただし、熱分布に課題がありクロックは外付けでしたが、同時期のシャープ製品はまだ「4チップ」構成LSIセットを使用している段階でした。
顧客ニーズを満たすためには、大規模LSIの開発が必須でしたが、開発コスト・開発期間、が高機能化につれ大幅に増大するうえ、デバッグ作業も大変(パターンの修正が必要)でした。
上記2社から得た知識に加え、ビジコン社の汎用ニーズとそれを満たす‘優れた発想力’、‘嶋君の努力’及び‘幸運’、創業間もない インテル社(R.ノイス)の‘ハングリー精神’が、世界初の‘4004 MPU’=‘1チップ汎用CPU’を生み出した、と考えております。
〜 ビジコンGは「アイデア」のみならず「資金・人材」の提供をも行い、単に開発や生産の委託をインテル社に行ったわけではありません! 〜
秋田大学医学部医学研究科教授 中村 彰氏の研究テーマ(文科省助成)として、「MPUが生まれた、ビジコン社の開発環境・雰囲気・背景」が取り上げられておりますことを2007年1月に知りました。 その中で特許庁におられた馬場氏の記事「幻の特許」には「もし特許を取得していれば年間200〜3,000億円の特許料収入が得られたであろう」と記述されています。 なお、当時の通産省の年間予算は約6,000億円でした。
〜〜〜〜〜〜 私たちが青春の夢と希望をかけた「ビジコン」社の記録でもあります 〜〜〜〜〜
「パソコンウォーズ最前線」(田原総一朗 著)には、マイクロプロセッサーの申し子、“スモールコンピュータ(オフコン)”〜“パーソナルコンピュータ(パソコン)”開発先駆者達の興味深い話が載っています。
<ご参考> 謄写版“ガリ版”の発明者の堀井新冶郎氏のご夫人と、日本計算器(ビジコン)創業者の小島和三郎氏のご夫人は、姉妹の間柄です。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
また、買ってしまいました, 2009/7/19
レビュー対象商品: NHKスペシャル 電子立国 日本の自叙伝 DVD- BOX 全6枚セット (DVD)
LDでもっているのですが、機器の故障によりみることができず、DVDを購入しました。
また、買ってしまったのは、この中で証言している方々のお話に聞き惚れているからなのですが。
相田さんの仰るいきのいい話ですね。
物量や科学的なアプローチで迫る米国に対して、日本の研究者は本当に徒手空拳というか竹槍戦法というか。
しかしながら、その真摯で、賢明な姿勢に涙が止まりませんね。
よくもこれだけの証言を集めたことか。
本作からの3部作ともいえる後継の”新電子立国”、”マネー革命”もDVD化を強く希望いたします。
相田作品で言えば、”自動車”もDVD化を強く希望します。