どの回もおもしろく、お奨め。
「惹かれあう二人 すれ違う二人」(第1回)、「何が違う?なぜ違う?」(第2回)、「男が消える?人類も消える?」(第3回)の3部作となっている。
第1回では、恋愛を扱い、なぜ恋愛が3年で終わるのかを生物学的、人類学的に説き起こしている。
恋愛中は、恋の中枢である腹側被蓋野が活性化して、快楽物質であるドーパミンが放出され、また、批判を司る扁桃体、頭頂側頭部の働きが抑制される。つまり、「恋は盲目」というのは生物学的に実に正しいという。
脳の働く部位を見ると、相手の選択に当たっては、男性は「視覚」、女性は「記憶」を頼りにするという。
テキサス大のテファンドラ・シン教授によれば、女性が子供を産む時期には、ウエストとヒップの比率が7:10に近づくが、男性はこれを一瞬で把握するという。
ウェストやヒップに視線が引きつけられる男性は実に正常ということになろうか。一方、女性は、「記憶」により、男性が信頼できる人物か判断するという。
「
セックスはなぜ楽しいか (サイエンス・マスターズ)」の記述とも重なるが、人間は直立歩行を行うようになった結果、産道を拡張できなくなり、子供を未熟児状態で産むという選択をせざるを得なくなり、育児が男女の共同作業となった。
しかし、子供が独り立ちする頃には「恋は盲目状態」が解消(18ヶ月〜3年)するが、これが現在の一夫一妻制と合っていない皮肉が生じている。
第3回は、男性のY遺伝子の話である。
性が性遺伝子により決定される仕組みは1億6600万年前に誕生したが、時間の経過とともに、ペアが存在しないY遺伝子は損傷し、含まれる情報量がどんどん減少し、遠からずY遺伝子は消滅してしまうことが予測されている。
妊娠に必要な胎盤はY遺伝子がないと生じないため、Y遺伝子の消滅は人類の消滅に繋がるという深刻な問題を孕んでいる。
また、人間の精子は一夫一妻制のため精子間の競争が働かないため、精子の質がどんどん悪くなっており、また、ここ数年で急激に精子の量が原因不明の減少をしているという。
まさに、男女というより、人類の問題を扱った回と言えるだろう。
字数の関係で第2回は書けなかったが、薬や教育の分野で、生物学的な男女差に逆に着目した取り組みがされているという。