グーグルの技術の特徴や収益源としての検索連動広告の特徴などを業界人でなくてもわかるように非常にわかりやすくまとめている。しかも、ずれていない。
※2007年1月に放送された番組も同様に、コンパクトに要点をまとめて伝える力はすばらしいの一言。
さらに、実際にグーグル本社に乗り込み、経営陣にもインタビューし、職場環境を取材している点については、外部メディアが行う限界に挑戦していると思う。インドのグーグル長者やグーグルを使いこなして生活している若者への取材など、事例紹介も充実している。
問題点の指摘の紹介についても、鋭い。
東大の小宮山総長の話を引き合いに出し、「グーグル検索によって簡易に情報を集めるだけでは、閃き、優れた知の構造、常識を疑う力は生まれない」と言った話を取り上げている。もちろん、鋭いのは小宮山総長であるが、グーグル依存の危険性を紹介する上ではよいエピソードであるといえる。
※なお、その他のグーグル依存の危険性などの考察・判断にあたっては、本で紹介されていない国内外の研究者への取材、インタビューなどを元にしている部分もあるだろうと思われます。
ただ一点、物足りない点があるとしたら、創業者の二人、Larry Page, Sergey Brin へのインタビューや発言の紹介ができていない(少ない)ことだろうか。
CEOのエリック・シュミットのインタビューがあるだけでもすばらしいが、グーグルという会社のカルチャーは創業者二人の発想や考えによって作られているところも大きい。その原点、生い立ちやビジョンに立ち入ることで、今後のグーグルの未来を想像することができるのだから。この点では、『Google誕生』に分があると思われる。直近の彼らの動向が知りにくいだけに、惜しいところだ。