ネパールの古都カトマンドゥは、ヒマラヤの麓の秘められた聖地です。およそ2千年前から、チベットやインドの商人達が行き交い、この街に住み着いた民族は三十余り、そういった多民族な人々の心を一つにしてきたのがインド的な女神信仰でした。都の創建について剣の形に造るよう、女神が王に告げたという王統譜の記録は、いささか神話的である様に感じますが、この街の歴史がとても古い事だけは確かな様です。街の至る所にある寺院や神像、人々の祈りの姿を見れば、この街がアジアでも希有な宗教色の強い場所である事が分かります。特に独特なのが、神に対する考え方がインド人に近いにも関わらず、生きた少女の女神クマリの様なここでしか見られない神も生み出している点です。クマリは人々の信仰を集め、少女でありながら立派にその役目を果たし、人々に希望を与えています。また、神事等を司る神官達も責任感を持ち、様々な宗教祭事等を執り行っています。同じアジアの国なので、我々日本人との共通点も多々見られますが、激しいヒンドゥイズム信仰や精緻で派手な彫刻作り等はおよそ日本とはかけはなれ、神秘的な独特の世界を創り出しています。そして、それは神に抱かれたこの街の魅力でもあると思います。また、我々日本人が失いかけている家族愛や人情といった物も、彼らは未だに持ち合わせている様に思いノスタルジーも感じました。