1993年の放送であるから、私は当時大学生であった。帰省時に自宅のTVで見ていた記憶がある。
当時はまだ、東欧革命からソ連崩壊に至る社会主義体制の崩壊の記憶が生々しく残り、歴史大好き人間である私にとっては、まさに生きた教科書に興奮する日々であった。
このDVDは、まさにその当時の私の記憶に鮮烈に残ったドキュメンタリーの傑作である。DVD市販化を16年待ち続けた。
日本のTVニュースだけ見ていたのではわからない世界の現実、そして現代日本の政治家たち、そして自分も含めた市民たちには到底不可能な決断、勇気、行動力を見せる改革派の政治家たち、そして市民たちの姿を圧倒的なリアリティーで描くNHKの傑作である。
ハンガリー動乱以降も細々と生き続けていた民主化の小さな芽。
彼らは、モスクワの忠実な下僕を装いつつ、雌伏の忍耐に耐え、改革の機会が訪れるときを待ち続けていた。
それを黙認し、暗黙の了解を与えて軍事介入をしなかったゴルバチョフの英断。
ゴルバチョフの黙契を得て、勢いづくハンガリー改革派政治家たちの勇気、決断力。
何事も決められず、行動できず、責任の所在も曖昧、自分たちの言葉で語る事も出来なくなった混迷の現代日本に生きる日本人としては、ただただ眩い光り輝く光景である。