印象的な「あの」サウンドに続いてスタートする、NHKスペシャル・サウンドトラック総集編。事実上の国営放送であるNHKの、資金力を以て初めて可能になる「専用音楽」が、ズラリと並ぶ。豪華3枚組。
杉本竜一作曲の「北極圏」は旧ソビエトが、ペレストロイカで民主化路線を取った時代の番組。ブリザードを模した風の音が、スピード感ある旋律にぴったり。放送局としてのNHKの影響力は国際レベルで、当時所有CDリストをホームページに公開していたら、何と、南米チリの少年から「Mr.SugimotoのNHK TV北極圏(Arctic)CDが欲しい」とE-mailが入って驚いた。買って送ってあげたら、物凄い量のプレゼントが贈られてきた。地球の裏側と「繋がった」印象深い思い出である。
The Inners は「驚異の小宇宙・人体」の第1シリーズ曲。久石譲のシンセな側面が見える曲。NHKは民族音楽にも造詣が深く、SENSの「故宮」や、式部(篠崎正嗣+大島ミチル)の「大英博物館」では、らしからぬコアなサウンドも聴ける。喜多郎が久しぶりにNHKに帰ってきた「四大文明」(歌はスラヴァ)ではテクノロジーと伝統の融合も見られる。
鮮烈だったのは、アディエマス(カール・ジェンキンス)の「世紀を越えて」。多重コーラスと、架空の言語で、唯一無二のサウンドを奏でる。そして、本作最強の名曲は加古隆の代表作「パリは燃えているか」(映像の世紀)であろう。ヒーリング・コンピレーションにも収録され、番組を越えて世界中で話題になった、神レベルの名曲である。
できれば、「NHK特集」時代の「地球大紀行」や「大黄河」、そして「シルクロード」を収めた盤もリリースしてもらえないだろうか?」