冒頭の渡辺謙氏のナレーションから始まる、NHKスペシャルドラマの
第1部DVDボックスセットです。いうまでもなく、原作は司馬先生の畢生の大作であり
もはや国民文学といっていいほど広く読まれている作品です。
この作品を映像化するのに司馬先生は永いこと難色を示されていた事は
有名な話です。題材が‘日露戦争’とそれに立ち向かう3人の若者を中心に、
ともすれば軍国主義を肯定する恐れがある事を密かに心配されていたと聞きました。
さて、肝心の本編ですが、これがもう抜群に面白い・・・・。
久しぶりに余韻の残る作品です。明治という開化期に生まれた若者たちの
昂揚感や時代の空気を見事に切り取って観せてくれます。
秋山兄弟は軍において、正岡子規は文学において。
ひとつ想う事のある人はかくも美しいものだと、
遠くを懸命に目指す人の日々はこんなにも清清しい・・・と
このドラマは語りかけて来てくれます。
殊に正岡子規役の香川照之氏の演技の秀逸なこと・・・・!
香川氏の場面では殆ど涙をおさえることが出来ません。
久石譲氏のテーマ音楽も何ていうか、琴線に触れるんですね。
それにしても動乱期の明治の若者たちをそっと見守った
突き抜けるような蒼穹のなんと美しい事か・・・・!
そしてその末の一朶の白雲はきっと時代の明け初める
シンボルそのものなのでしょう・・・。
ドラマを観て私自身初めて‘自分の中の日本人’を意識した作品でした。
実に素晴らしい!!今年の12月が待ち遠しいです。
絶対にお薦めです。