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5つ星のうち 5.0
ステレオでの視聴, 2010/2/15
レビュー対象商品: NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」 2008年ベルリン公演 [Blu-ray] (Blu-ray)
映像だけでなく音も素晴らしいとの評判だったので、確かめてみたく購入しました。96kHzと、CDの44kHzを超えて2倍以上のワイドな周波数レンジです。聴き始めて、すべての音が明瞭でくっきりしているのが分かります。弦楽器の響きも素晴らしいです。チャイコフスキーはヴィオラを上手く鳴らせる作曲家ですが、こんなに美しいヴィオラの音を聴いたのは生演奏も含めて初めてです。 映像も何も言う事はなく、金管楽器の黄金色の輝きや、ティンパニの本体の銅の美しさ、フォルテッシモで桜色に染まる演奏者の顔、指揮者のシャツやベストの質感など、細かな所までくっきり映し出されます。写っている楽譜も読めてしまいそうです。小澤のウイーンフィルとのニューイヤーコンサートDVDでは、ティンパニの連打で写るバチがコマ送りみたいになってしまいましたが、ブルーレイでは全然問題ありません。 演奏もベルフィルが、小澤を信頼して、しっかり付いていっているのが良く分かります。DVD「ロシアンナイト」に映っていたメンバーが古株となって演奏している姿も懐かしいです。相変わらず小澤は、木管楽器の歌わせ方が素晴らしくて、「悲愴」の世界にどっぷりつかれます。金管は小澤らしい、完璧に同期し、初めと終わりがくっきりと分かる演奏になっており、聴きやすいです。 オーボエから始まる音合わせから始まり、ドーッという歓声に包まれる何度も続くカーテンコールまでの連続した映像ですが、その場にいるような生々しさを感じ、時間があっという間に過ぎ去りました。コンサートチケットの値段を考えれば、本ディスクの値段は安いと思えるほどでした。
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5つ星のうち 5.0
96-kHz/24-bitはダテじゃない, 2008/9/30
レビュー対象商品: NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」 2008年ベルリン公演 [Blu-ray] (Blu-ray)
自分はクラシックはSACDでよく聞くのですが、リニアPCMのサラウンドはSACDのDSDよりも精緻だなぁ、という印象を持ちました。非常に透明度の高い、クリアな音です。SACDのDSD形式は「柔らかで暖かく密度の高い音」と評されることが多いですが、このBDのリニアPCMは「精緻で透明度も密度も高い音」という感じがします。 サラウンドも派手ではなく、直接音主体の録音に適度にホールトーンを加える感じで、それが絶妙な臨場感を醸し出しています。 映像も精緻で、楽器の質感もよくわかります。 接続についてですが、現状、96-kHz/24-bitサラウンドの再生には、HDMI接続が必須と考えた方がいいでしょう。常識的な価格のBD録再機の場合、同軸や光のデジタル接続では、48-kHz x 2チャンネルが上限のことがほとんどです。
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5つ星のうち 5.0
純粋に表現した小澤のチャイ6!, 2011/10/28
レビュー対象商品: NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」 2008年ベルリン公演 [Blu-ray] (Blu-ray)
小澤は、その曲の表現方法やアレンジにおいて、自分自身への名声獲得のための派手さや、一部の人間にしか分からないような一種の<こだわり>のような解釈を用いず、<純粋な曲>を再現しようとする素晴らしい指揮者であると私は思う。このチャイコフスキー6番の悲愴においても、これは個人的な感想ではあるが、<おそらく作曲者自身(チャイコフスキー)は、このような演奏を望んだのではないか>と思わせる、非常に素晴らしい演奏である。 なのでこの演奏は、全盛期のカラヤン指揮BPOのような、いわば<煌びやか>で<高ドラマチック>な物とはまるで違い、足りなくもないが余計なものが一切ない<生粋のチャイ6>に仕上がっている。全盛期カラヤンのような演奏も、それはとても魅力的ではあるけれど、どこかノスタルジックで隠匿された精神性がにじんでいるこのチャイ6<悲愴>においては、この小澤のようなアプローチが、もしかしたら正解かもしれない。 カラヤン表現のような雰囲気とは一線を画すといっても、決して平凡だったりダルかったりすることはなく、ち密に組み上げられ、とても深く歌いこまれているのも事実で、収録されているインタビューで小澤自身も言っているが、<感じたものが外に表現されるのではなく、(心や腹の)中で感じたものが上手く表現できれば…>と言っている通りである。この小澤チャイ6は、噛めば噛むほど味が出るような内に秘めたな魅力がある演奏、言うならば、その場でドキドキする演奏というよりは、後からじーんと来る演奏だと言えば分かりやすいかもしれない。このような部分は決して偶然的になしえた事ではなくて、収録されているリハでの、小澤からBPOへの要求をみれば、それがいかにち密に作り上げられたものであるかが、非常に良く分かるだろう。 またそのような小澤に対して内面的に強くコミットし、渾身の演奏を見せるベルフィルの楽団員たちの姿も魅力だ。楽団員たちの演奏中の表情や演奏終了後の様子をみれば、BPOのメンバーがいかに小澤をリスペクトしているのかが良く分かるし、また演奏終了後に小澤は、観客に挨拶するよりも前に、名演をやってのけた楽団員たちを先に周って、その功をねぎらうのである。そしてその後やっとオーケストラの前に出て、観客に振り返り、盛大な喝采を浴びるのである。涙ぐむ小澤がそこにいる。感動的な一幕である。 ここからは私の勝手な想像ではあるが、小澤が観客の喝采にこたえて何度が再登場し、バックヤードへ引き下がる際や、舞台上で楽団員をめぐる際に、天井をめがけて指をさす場面が何度か出てくる。はじめは何を指してているのだろうと、全く判らなかったが、何度か繰り返し見るうちに、天にいるカラヤンを指差しているのではないかと思うようになった…この演奏が、カラヤン誕生100周年を祝う演奏会だったからである。<先生(カラヤン)も空から見ていて、きっと喜んでいるはずだよ>と言わんばかりに。カラヤン時代からベルフィルにいる往年の名プレイヤーや達に、天を指でさして、そう伝えたかったのではないだろうか…。 演奏、録音共にとても優秀で、何度も見たくなく作品である。
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