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「百聞は一見に如かず」という言葉はあるが、まさにこの写真集に載せられた写真達はどんな素晴らしい言葉をも陳腐なものに変えてしまう強さを秘めている。特にSteve McCurryの世界貿易センター第2ビルのロビーの写真が強烈だ。人々が危険から逃れようと走り回っているビルの外界とは対照的な「静寂」。誰も目にした事のない惨劇の中の「荘厳」。この写真一枚を見るためにだけでもこの写真集を買う価値はあると思う。
一方、人々を撮った写真も数多く掲載されている。惨劇から逃避するような写真も多いが、人間同士の繋がりを感じさせるような写真も多い。ニューヨークという個人主義が横行する街においてでも・・・。暖かい。でも何となく心に一抹の孤独感が呼び覚まされる。
陳腐な言葉になってしまうが、全体を通じてやはり「愛」が基調となっている。この言葉がいろんな姿かたちで眼前に現れてくる21世紀。どのように人生を送っていくか、今一度考えてみるのに助けになる
今世紀初頭を襲ったこの世界的な悪夢は、マグナムの捉えた写真で見ると、不思議なほどその光景は美しく、そして静かだ・・・。
マグナムはどちらの世界に味方する訳でもない。ただ時代の鏡として世界を写し、人々に提示する。半世紀に及び世界を、アメリカを写してきたマグナムが、このような奇跡的な瞬間に居合わせたことに、いつか我々は感謝する日が来るだろう。
もしあなたが身内を理不尽な理由で亡くしてしまい、いまだにその後遺症に苦しんでいるなら、ぜひこの写真集を見た方がいい。
もしあなたが何不自由ない人生を謳歌し、幸せな人生を送っていても、気が向いたときにでもここで起こったことを改めて写真で目撃した方がいい。
この本を見る度に、裁判までしてニューヨークを居住の地として選択し、またそこで射殺されたジョン・レノンの言葉を思い出す。
「生きているんじゃない、しがみついてるんだ」
自分の大事な人に言葉ではなく、人生の転機に応援したくなる時には、僕はこの本をプレゼントしています。
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