1回目聴いたときは「まあまあかな」と思ったのですが、2回、3回……と聴くうちに、「おお、こりゃいいぞ!」となりました。前回復活時のアルバム『天晴』が初期ミカ・バンドとは全く異なるアプローチで作られていたのに対し、今回は原点に戻った感じですね。それでいながら、ただの同窓会的アルバムになっていません。木村カエラを囲むメンバーはまるで好々爺みたい(失礼)になっているのに、音は相変わらずタイトでとんがっていて、いやもうカッコいいのなんの。カエラのヴォーカルはキュートだし、加藤和彦のヴォーカルは(「Low Life and High Heels」のような曲でも)ホっとさせられるし、小原礼はやっぱりブルージイだし、高橋幸宏も変わらず無機質な癒し系だし、高中正義もお洒落に自己主張しているし……個性がバラバラなのにとても息が合っており、「ロックしてやるぜ」みたいに肩肘張ることなく、自然に音がロックになっている。しかも繰り返し聴くことで深みが増していく音になっているのは、メンバーの重ねた年輪のなせる業でしょうか。
曲調もT−REX風あり、CSN&Y風あり、ローリング・ストーンズ風あり……と、バラエティに富んでいて、中にはピンク・クラウド(ピンク・フロイドにあらず)みたいな曲まであります。
ロック"まがい"バンドがはびこる現在、改めてミカ・バンドを聴くと「カッコいいとは、こういうことだ!」と云いたくなります。アルバムを入手された方は、1度ならず、2度、3度……と繰り返し聴かれることをお薦めします。