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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
アガサのエンターテイメントの逸品,
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レビュー対象商品: NかMか (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (文庫)
知る人ぞ知るトミーとタペンスの冒険ミステリシリーズの第三弾である。アガサのミステリの中で、「読んで楽しい」ものといえば、このトミーとタペンスシリーズにとどめをさす。ミステリを、「読んで楽しい」などと書くと、いぶかる向きもあるかもしれないが、本当なのである。元々、アガサのウイットとユーモアの効いた、センスの良い文章力には、ミステリ作家として抜群のものがあるのだが、深刻な殺人事件が題材になると、ウイットとユーモアもほどほどに、ということになる。しかし、冒険ミステリなら、そんな手加減はいらないわけである。特に、トミーとタペンスとの間で交わされるウイットとユーモアの効いた、テンポのよい絶妙な掛け合いは、それだけで一つの小説に書き上げてほしいくらいである。さて、物語だが、時は第二次世界大戦開戦直後。英国情報部の依頼を受けたトミーは、コードネームをNとMという二人の謎のドイツのスパイを探るため、二人が住んでいると思われる海辺保養地の下宿「無憂荘」に、住人として潜り込むことになった。しかし、下宿の女主人に住人を紹介されたトミーは、いきなり、あり得ない出来事に出くわし、息を呑むことになる。誘拐あり、殺人あり、恋愛あり、もちろん、トミーとタペンスの大ピンチありの、冒険活劇の始まりである。 ちなみに、全ての謎が解き明かされた後に、アガサが用意したエピソードが、何とも粋で、心暖まるものであり、素晴らしい。エンターテイメントのエンディングは、こうでなくっちゃネ!
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
誰がスパイだ?,
By 拓庵 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: NかMか (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (文庫)
クリスティの作品中、トミーとタペンスの夫婦を主人公にした作品の3作目(短編集の「おしどり夫婦」含め全5作)。最初の作品「秘密機関」で20代だった2人も、40代の中年夫婦になり、かつての自分達と同じくらいの双子の親となっている。 時代も、第二次大戦下のイギリス。ナチス・ドイツの電撃作戦で、隣国フランスの情勢は悪化の一途をたどる中、ロンドンも空襲におびえる日々が続く。 「無憂荘」というゲストハウスを舞台に、スパイの正体を暴くための駆け引きが始まる。 「秘密機関」同様、純粋に冒険活劇として楽しめる作品。40代になっても、危地へ飛び込んでいく2人の無謀さには脱帽。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
『秘密機関』から20年後のトミーとタペンス,
By トーマの休日 (兵庫県西宮市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: NかMか (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (文庫)
本書は第二次大戦の最中の1941年に発表された、トミーとタペンスものの前作長編『秘密機関』から約20年後の作品である。作品の中でも20年が経過しており、今では二人年老い、仕事にあぶれ、平凡で退屈な日々に明け暮れるそんなある日、情報局からトミーに新たな指令が与えられた。それはドイツ軍のスパイ、「NかM」を突き止めるというもの。ただしタペンスには内密にだが...。 手に汗握る冒険とロマンスに彩られた『秘密機関』や同系統の『チムニーズ館の秘密』、『茶色の服の男』などはポジティブで明るい作風だったが、本書はこれら初期作品に比べ起伏が少なく、私には退屈だった。 『秘密機関』など初期の一連の冒険ものは夢物語のようで現実性には欠けてはいたが、その分、作者は純粋に作品を楽しんで書いていたように思われ、その楽しさが読む側にも伝わってきたものだが、推理作家の第一人者となってしまった作者自身、もうそんな作品は書けなくなってしまったのだろう。 なお、本書には「があがあ、がちょうのお出ましだ」というマザーグースが用いられ、これがひとつのキー・ワードになっている。
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