1980年代後半に、このアルバムは何故かイギリスの4ADレーベルからTHROWING MUSESやXYMOXなんかと一緒に出て、最初は訳も分からず聞いていましたが、実はワールド・ミュージックの名盤である、と知ったのはもう少し後になってからのことでした。
このアルバムを自身のレーベルから出したオーナーのIVOは、BAUHAUSのピーター・マフィーからその存在を教えられたそうです。
解説によると、歌っているのはブルガリアのコンテストで選ばれた娘さんたちで、スイスの人が15年以上かけて録音したものだそうです。
古典的でありながら、どこか神秘的で現代的なのがブルガリアン・ヴォイスの大きな魅力です。
自分の中では1950年代のブルースやショナ族のムビラなんかと同じ地平で繋がっている、とても素朴でしかしパワフルな美しい音楽です。
一時期、日本のCMでタイ・アップに使われまくっていた頃は全く聞いていませんでしたが、今だったらまた落ち着いて聞けると思います。
例えば、有名な13曲目の「トドラは夢見る」はオリーブの木陰で眠るトドラを風が揺り起こす、という美しい歌なのです。
ブルガリアン・ヴォイスでどれか1枚、ということであればこれかも。一家に一枚の名盤だと思います。