つ、ついに出ました10年ぶりのアニタ・ベーカーの新作です!な、なんと驚くほどあのままのサウンドで、あまりの変化のなさに嬉しすぎて涙が出ます。いつものバンドメンバー、いつものプロデュースでワンアンドオンリーな音楽がこれでもかと展開され、”変わらないことがこれほどに素晴らしい”と実感されます。彼女の作品ほど何度聞き返してみても飽きのこない音楽は他には見当たりませんが、10年ぶりの今作もまったく相変わらずの聴きモノばかりです。幕開けのタイトルチューン”You're My Everything”は口ずさみやすいヒット間違いなしナンバー。中盤のハイライトであるベビーフェイスとのデュエット”Like You Used To Do”は思いっきり”ベビーフェイスのバラード”ですが、十分に歌でアニタベーカー曲に仕上げています。いい曲でアルバム全体の中でも良いアクセントになっていると思います。ちょい力抜けぎみのノリの良い曲もバランスよく配置され、全体通して中だるみもありません。少し変わったところといえば3曲目に少しラテン色が込められていることと、歌声の高音の艶が少しなくなったことでしょうか...。難を言えばちょっと力んだジャズ的アンサンブルもあってほしかった...。全体に漂う力の抜け具合と愛情に満ちた雰囲気は母親としての貫禄でしょう。