1977年8月23-25日、ハリウッド、キャピタル・スタジオで録音。プロデューサーには若き日のトミー・リピューマの名を見ることが出来る。
1曲目『B minor Waltz』は最初の妻とされるエレイン(一般には結婚したと考えられていたが、正式には結婚していなかったとされる)に捧げられている。ビル・エヴァンスと別れたエレインはすぐに自殺してしまった。それは1976年のことだ。4曲目『We will meet again』は兄ハリーに捧げられている。音楽教師でピアノの導き手だった兄ハリーも1977年に自殺している。この曲は兄に教えて貰った曲からきている。
そしてオリジナルではラスト・ナンバーである7は副題が『Suicide Is Painless』である。ビル・エヴァンスが死を思い浮かべながらこのアルバムでピアノを弾いていたのは間違いないだろう。彼の死はわずか3年後の1980年9月15日である。
死の影で内面的に破壊し始めていた彼のピアノは何故かくも美しいのだろう。間違いなくビル・エヴァンスのアルバムで最も美しいピアノはこの作品だ。眼を閉じて聴けば彼の思いを垣間見るような気になるのは僕だけだろうか。心にシミル作品だ。