21世紀にもなって、広瀬さんのオリジナルアルバムをサードから時代順にずっと聴きまして、これで6枚め。8thアルバム。これまでのポップな音作りから、プログラムされたファンキーで分厚い音作りになっとりまして、最初聴いた感じは、(ジャンルは違いますけども)エレクトリック・マイルスを最初聴いたときのような印象を受けました。エレクトリック・マイルスとは、ジャズの帝王マイルス・デイヴィスがアコースティックで整然としたモダンジャズから変貌して、エレピや電子ベース、ロックギター、はたまたインド楽器を導入した、On the corner, Bitches breu等を指します。
脱線しましたが、ラップ風の曲で始まり、ファンキーなベースが印象的な2, 5、フラメンコ風の4と多彩な音作りながらも、従来のサビが印象的な方向性も5で少し残されているところが、心憎い。1の「要らないメモリー捨てないとバグる」、9の「クリックしてウィンドウ」と歌詞の世界もサードアルバムの頃の「ポケベル」から、随分時代の変化を感じさせてくれはる。10の諧謔の遊び心も相変わらずで、聴きながら大笑いいたしました。
12のアカペラは岡本真夜さんのアカペラアルバムを想い出しましたが、作り手のキャラは違っても、同じ人の声を多重録音することで内面的な世界が深く表現されるのに感嘆。音楽家広瀬香美の面目躍如といった名盤でしょう