「僕達のトレードマークだった『静寂』ー>『轟音』のフォーミュラは、
陳腐なものに成り下がってしまった。しかも同じ事をやる連中が
他にも大勢出てきたから、意図的にあの形式はもうやめる事に
したんだ」 〜ステュアート(本作ライナーノーツより抜粋)
個人的には、上記のフォーミュラを意図的に抑えた前々作、前作共に、
モグワイの新たなる側面を開拓した名盤だと思っている。
特に前々作、『Rock Action』に収録されている"2 right makes
1 wrong"の名曲っぷりは、ちょっと尋常じゃない。
で、今作。
#1のエレクトロニクスを使用した抑え目なイントロで始まり、
「ああ今作も大人しめかしら」と油断していたら、
#2から、まるでTenRapid時代に遡ったかのような轟音モードに
シフトチェンジ。更に間を挟んで、ふさいだヴォーカルから一気に
サビへと畳み掛ける#4で昇天。これを静寂ー>轟音のフォーミュラ
と呼ばすして何と呼ぼう。他にも、Heliconをアグレッシブに
アレンジしたかのような#8。全編攻撃モードかと思いきや、
ENVYのTetuya氏の日本語Voが、ピアノの美しい旋律と相成って
幻想的な雰囲気を醸し出している#9があったりと、過去2作で
培われた幅の広さも見せ付けている。
が、やはり総体的に目立つのは、非常にアグレッシブな曲の数々。
もしかしたら、これも昨今の音楽シーンに対する何らかの
カウンターアクションか!? という愚生の深読みも、
ライナーノーツのステュアートの一言によって無用の長物に。
「『静寂』->『轟音』パターンはやり尽くしたと感じて以降、
ぼくたちはミニマルになっていった。でも、ガンガンノイズを
鳴らすのがやっぱり好きだって点に、後になってから気付いた
ってわけ!」
とてもシンプル。それが故に、本能的な部分を刺激する良作。