香港で、小さな探偵事務所を開いているウォン(マイケル・ホイ)は、しみった
れのカタマリのような人物で、秘書ジャッキー(テレサ・チュウ)と助手チョン
ボ(リッキー・ホイ)を薄給でコキ使っている。ある日、ハンサムでカンフーが
得意な青年キット(サミュエル・ホイ)が、新しい助手として入社する。浮気調
査やスーパーの万引き防止など、厄介な仕事の毎日だが、新入のキットは
難なくこなし、所長であるウォンの影は薄くなるばかり…。
ホイ三兄弟による香港製コメディの金字塔的作品。マイケル・ホイ監督・主演
コメディの日本初登場となり、大ヒットを記録した。当時の配給会社、東宝東
和がつけた”Mr.Boo”という名称は、その後、マイケル・ホイ自身も気に入り、
彼の主演作のいくつかは、英語圏でも”Mr.Boo”シリーズ(実際は、各自独立
した作品)として英語表記されている。
時代は違うが、西にマルクス兄弟あれば、東にはホイ兄弟ありだ。マイケル
(攻撃的で計算高いツッコミ)、サミュエル(ハンサムながら、ちょっと抜けてい
る)、リッキー(おっとりとしたボケ)、それぞれのパーソナリティから生み出され
るコンビネーションとバランスが、泥臭くも面白い。基本は、香港映画らしく、
アクション満載の視覚的ギャグ(ドタバタ)だが、そこに(当時の香港の)社会情
勢に対する風刺と東洋的なウェットな味わいを盛り込んだマイケルの脚本が
本作により膨らみを持たせている。サミュエルのバンド、”The Lotus”の主題
曲も、現代労働者哀歌的な自虐とユーモアがあって、作品にぴったり。
本DVDは、2005年にユニバーサルから発売された盤同様、香港Fortune
Starのデジタル・リマスターされたマスターを使用したもの。時代を考えると良
好な色合いの画質だ。特典もユニバーサル盤と全く同一の予告編集とサミュ
エル・ホイのバイオグラフィー(テキスト)が収録。そして、もちろん、「ゴールデ
ン洋画劇場」で放映された日本語吹替えも収録。映画は字幕でという映画ファ
ンでも、Mr.Booシリーズは、広川太一郎氏の名調子で楽しみたいという人は
少なくないだろう。何はともあれ、いつでも廉価でこの作品が手に入れられる
ようになったのは嬉しいかぎりだ。