非道い時は眠りこけそうな演奏が平然と録音され発売される、アレを買うために、このひとの場合。非道い演奏も恐らくはアレのせい。
「終わりなき闇」ージェイムスギャビン(鈴木玲子名訳)、によると女とアレの後暴力をふるいアレを打ってジャムに臨む、そんな事が平然と続いてたらしい。
このひとの内面が知りたくて読んだ本だったけど最初はその内容にいい加減気持ちが悪くなった。それでも読み終えたーしかも熱情を持って。
というのも、人間学的な興味からというよりは、”なぜそんな奴がトランペットで紡ぎ出すノートが涙が出るほど美しいのだろう?”という興味のほうが遥かに大きかったせいだ。
My first job was with ヴィド.ムーソ、Probably you don't remember the name,,,と映画「LET’S GET LOST」の中で呟けば
スタンケントン楽団との競演ものをEPで買うほどにこのひとのコレクションに嵌った自分だが、本命はそのJAZZの内容だ。
私が宝石に値すると太鼓判を押すのは、今や入手し難い2枚組の「Live From The Moonlight」全曲や「Candy」の中の’Bye Bye Blackbird'の絶妙の出だし、
「In Europe,1955-コペンハーゲン」の’All The Things You Are'の2トランペットの掛け合いの若々しさに溢れた名演など挙げていくとキリはない。
で、このCDなのだがすこぶる調子がいい時に録音したらしく各曲とも好調でなかなかのインプロビゼーションが堪能できる。
その中でも特に、ボーナストラックとしておまけで追加された””Farther X-mas""が最高なのだ!
アドリブが即位即妙というか、小鳥が飛び回るように次にどう変化するか予測できないというか、しかしながらちゃんとその曲を描き終えるのだ。
出てくるひとつひとつのノートを追いかけるがいい。そのスリルたるや最高だ!中でも絶妙の間をもってひと吹きに吹かれるノートがある。
決めのノートだ。唸る。目頭が熱くなる。嫉妬心を覚えるーそのあまりのカッコよさに。MUST−HAVEなCDだと思います。