ケヴィン・コスナー、デミ・ムーア、そしてウィリアム・ハートが出演と言ったら、1990年代だったら
一体いくら掛かっただろう、という布陣だ。
でも製作のJ・ウィルソンによれば、本作は「インディペンデント作品」なのだという。
この3人も配給のMGMも、現在は立場が微妙なところにある。一世を風靡しただけに、これは物悲しさも感じるなあ・・・。
恐らく昔では考えられないギャラで引き受けているのだろうが(それでも100万ドルは下らないと思う)、
確かにその熱意は伝わる出来栄えになっている。
K・コスナーは表の顔こそ地元の名士であるが、裏ではある「中毒」に悩まされている男を好演した。
その中毒はアルコールでも麻薬でもなく、快楽殺人という恐ろしい中毒患者だ。
セラピーに通ったりして、何とか2年ほど抑えてきたのだが、影の声で登場するW・ハートの「囁き」により、
男は殺人鬼に戻る。このW・ハートの芝居がまた素晴らしい。近年は脇役に甘んじることが多くなったが、
やはりこういう主演格を演らせた方が「華」がある俳優だと思う。
それからD・ムーアもカッコいい女性刑事振りで魅せた。デミもすっかりB級作品が多くなってしまったが、
このふたりとの共演は嬉しかったんじゃないだろうか。
特筆できるのは画質であり、DVDでも素晴らしい奥行き感のある映像が楽しめる。
このレベルでリリースしてくれるなら、ブルーレイに買い替える必要もないくらいだ。
特典映像はメイキングとインタビューが収録されているが、プロデュースも兼ねるケヴィンが「続編」
のことを語っていたのが気になった。
撮影から5年間が経ているので、もう難しいかもしれないが、娘役を演じたD・パナベイカーが
父親譲りの「キラーマシーン」となったら面白いのに、と思う。
最近はスター映画も減ってしまったが、本作は90年代のハリウッドを体験した人にとっては
どこか懐かしい作品でもある。星は3つです。