これはなんというか先か後かという話なのですけど、先にコーネリアスとSalyuが組んで作り上げた作品「
s(o)un(d)beams」を聴いていたので、
なんだかその作品との共通点をものすごく感じました。声を楽器のように使い、綿密なプロダクションで持って、編み上げたような作風とでもいうのでしょうか。
実にオーガニックなのに、どこまでも人工的な感触は、やはり紛れもなく今の時代の音だと感じます。
共通しているとは言ったものの、Salyuの作品が、ボーカルについては、彼女の歌声だけを編集して構成されていたのに対し、本作はダーティー・プロジェクターズのメンバーとビョークの歌声が、めくるめく掛け合いをしていることで、成り立っていることは大きな違いかもしれません。
ただ両者共に言えるのは、基本ポストロック的な質感の音楽を、いかに有機的な熱量を取り込んで、音楽として鳴らすかに心血を注いだ作品であることは確かでしょう。
今作でのビョークの歌声は、その点において見事に機能していると言えます。
彼女の歌が入ることで、この作品の世界観にグッと拡がりが出て、ある種ミュージカルの主役が別格の存在感を示しているような華々しさを感じさせます。
ビョークはついちょっと前に、自身の新作「
バイオフィリア」も出していますが、本作も単なる客演という以上に、
十二分にビョークという唯一無二と言える歌い手の存在感を示しています。