Nico Muhlyはいろいろなことをやる作曲家で、ビョークなどにアレンジを提供することでむしろよく知られています。このアルバムには声と言葉を使った作品が集められています。1曲目、多重録音されたメゾソプラノがそれぞれ音程を一定に保ちながらそれぞれ違った言葉を紡ぎはじめたとき、ベルリン天使の詩という映画の冒頭を思い出しました。音の選びかたに、フィリップグラスやスティーヴライヒの影響があることは確かですが、長時間反復することがコンセプトだったミニマリズムとは、違う音楽です。むしろ劇音楽家としての資質のほうを感じます。Mothertongueは特にブリテンを思い起こさせます。Wondersからあとは声楽家でないボーカリストなので、ひょっとしたらCANとか好きな人は好きになるかも。
作曲家にはいろいろいて、テレビドラマの音楽書いて食べながら、現代音楽の夕べとかいったコンサートではぜんぜん違うものを発表したりする人もいて(それはそれで良いと思いますが)この人はポップロックのアレンジをしていても自分の曲を書いていてもあまり違いがない。今の作曲科の学生が聴いたらどう感じるのかな?