交響曲でのブルックナーしか知らない人にとっては、ほとんどアカペラという、
余分なのもをそぎ落としたような楽曲については驚きを禁じ得ないでしょう。
とはいえ、オルガン奏者でもあったブルックナーのことをご存じなら、この響
きは納得。楽譜を見るとわかりますが、6声〜8声と音を重ねまくり、単純な
3和音でも同じ音がオクターブで重ねられていることから、アカペラ曲にして
はねちっこい感触を感じられることでしょう。なのでブラームスのような合唱
曲を好む人には結構つらいかも。
モテット曲集自体は、どれも音が簡単で書法もホモフォニックが多いことから、
(Os Justiは、ハ長調で臨時記号すらない)ちょっとした合唱団ならほぼ初見
で歌え、演奏効果も抜群なので、練習時間をあまりとれない時のレパとしては
お奨め。
コリドンシンガーズの演奏は人数を多く使用していないことから、音が濁らず
比較的清澄な響きを味わえるが、それでも、ブリテンや、フォーレなどの曲と
比べるとエネルギー全開という感じで、なかなか熱く聞けます。ブルックナー
のモテット自体が、ヨッフムの録音とナクソスの録音くらいしかないので選択
の余地があまりありませんが、演奏のレベルならこの盤が一番安心して聞ける
でしょう。