昔のホラー映画のようなイントロから始まって、ストーリー性のある歌詞、高揚感のあるサビへのめくるめく転調、まさに「Monster」のタイトルにふさわしいゴージャスな一曲。「時計じかけのアンブレラ」の妖艶さと「truth」の哀感が加わり、独特の世界観を作り上げている。
大野智のソロの入り方が実に効果的で、ソロ自体は多くはないが曲の序盤で圧倒的な存在感を見せつける。
黒の衣装もセットもゴシック調で美しく、大時計をバックに逆光に浮かび上がる五人のシルエットが印象的。
私は「自分で作らない」歌手は認めていなかったのだが、嵐の曲を聞いていると、「提供される」ことを最大限に活かしているように思える。最近で言えば「Troublemaker」「揺らせ、今を」「Believe」「マイガール」とタイプの違う楽曲を、五人が自分たちのサウンドとして昇華して表現していることに驚かされる。
とび抜けて歌がうまいとも思わないのだが、今回の「Monster」も早くフルで聴きたい、と思わされたし、更に早くPVでダンスが見たい、と強く思った。表現者としての嵐にはそれだけの魅力が十分にあるのだ。
カップリングの「スパイラル」は気だるく、色っぽく「Monster」よりもこちらの方が新境地なのではないだろうか。三十路を目前にした彼らの一つの方向性を感じるクールな大人のラブソング。「時計じかけのアンブレラ」に続き、櫻井翔のラップ詞にも、挑発的な言葉選びが見られて面白い。
昔のアルバムを聴いたが、洋楽テイスト満載な楽曲をかなり歌いこなしていて、青さはあるものの、聴きごたえがある。最近ファンになった方はぜひ聴いてみていただきたい。
メイキングは前作よりも五人の素が見られて楽しい。この人たちは五人でいると本当に楽しそうだ。