脳と心をハッキングするというと、「ハッキング」という言葉に(誤った)悪いイメージを持っている人は、ちょっと躊躇するかもしれない。しかし、オライリーのこのシリーズの他の本を読んでいるような人は、「ハッキング」に関してそんな間違ったイメージは持っていないだろう。その正しいイメージの通り、脳と心の不思議さを色々確かめてみようという、面白くかつためになる本。
オライリーのこのシリーズは、コンピュータソフトの解説本じゃなかったの?という人は良く考えてほしい。そもそも「ハッキング」とはコンピュータだけのものではない。例えば、中身のシステムやアルゴリズムの分からないものを「ハッキング」するときに、まず色々入力して出力(反応)を調べてみるというのは、よくある手法の一つだ。それによって中身を理解することが出来る。実は我々の脳や心も同じで、直接中身を調べるという方法は多くの場合取れず、やはり色々入力して反応を見るしかないのだ。
この本では、実際に自分の脳と心で確かめられる多数の楽しい実験と解説が書かれており、どこのHackからでも読むことが出来る。話の種だけでなく、自分自身で自分の脳と心の不思議さに触れることが出来るだろう。また、脳と心の性質を利用した勉強方法や、落ち込んだ気分を癒す方法など、実用的なヒントも得られる。そればかりかとにかくどのページも楽しめる。
ぜひ多くの人に、この本を手にとって、脳と心のハッキングを楽しんで欲しい。