マイケルが制作・演奏等に関係した全作品が、曲、アルバム、映像、ビデオ、コンサート、本などのジャンルごとに網羅されています。巻末にはアメリカ、イギリス、カナダ等でのヒットチャート、アメリカとイギリスでのディスコグラフィーがついています。曲のみの掲載だった2007年の初版を改訂、大幅に増補されました。マイケル没後の2009年9月に出版され、彼の3人の子供たちへの献辞があります。表紙にマイケルのサインが入っています。
曲については、タイトルの数字・アルファベット順に列挙。例えば最初に来るのは「1-2-3」。これはジャクソン5の大ヒット曲「ABC」のために考えられたものの却下されたタイトルです。こういうものまで掲載されているわけです。ほかにはマイケルが他の歌手に提供したもの、公式リミックス、知られているデモ・バージョン、カバー、マイケル関係曲をサンプリングしたヒット曲、モータウン以前の曲なども含まれています。各曲について作者、制作・発表の経緯(マイケルなど関係者の談話など)、その他の情報が記載されています。
残念ながら伴奏したミュージシャンの情報はほとんどありませんが、これだけタイトルが網羅されていればないものねだりでしょう。ちなみに映画制作の際デモテープが見つかったとされる曲「This Is It」は、2007年の初版にすでに掲載されています。「1984年に米国著作権局に登録済みの未発表曲」とあり、共作騒動との関係は?などと興味をかき立てられます。
写真は全て白黒、レコードジャケット、ポスター、関連する雑誌の表紙が中心です。「BEAT IT」のマイケル公認パロディ「EAT IT」の項目には、日本のシングル盤「今夜もEAT IT」のジャケットを掲載。アルバムスリラーを真似たアル・ヤンコビックの写真が見られます。ほかにも結構日本関係の写真があっておもしろいです。
全503ページ。一項目の記述が短いので、英語が得意でなくても読む負担は少ないのではないでしょうか。これからも発掘・改訂されるでしょうが、マイケルが生涯に渡って関係した作品を一望のもとにでき、気が向いたときに事典のように手軽に調べられるのは本当にありがたいです。私にとって、一番手に取る機会が多いマイケル本です。
Michael Jackson: A Visual Documentary 1958-2009(邦訳:『マイケル・ジャクソン全記録1958-2009』)がマイケルの行動記録であるとすれば、こちらは作品の記録。ファン必携の資料です。持ち運び便利でキーワード検索もできるKindle本としても、是非出版してもらいたいものです。なお新しい情報をチェックできるよう、有用なウェブサイト一覧も掲載されています。