クリンスト・イーストウッドの映画『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』で、音楽家である息子Kyle Eastwoodのことは知っていた。当時は、映画に合ったいい音楽を創るミュージシャンとの認識くらいで、然程気にはしていなかった。その状況を変えたのが、やはり映画『グラントリノ』であった。映画自体、非常に抑揚の効いた素晴らしい出来ではあったが、それを更に引き立てていたのがKyle Eastwoodの音楽だった。サウンドトラック盤を探したが、どうやらまだ発売されてないらしく残念ながら見つからなかった。そのお陰ではないが、偶然から発売後間もないこの作品に巡り会えた。一曲目の「Metropolitain 」はフュージョン系の曲でスキャットがとても印象的な曲である。最初聴いた時は、少し音の種類が多すぎて若干落着きがない曲に思えたが、何回か聴くうちに印象が良くなっていったのは不思議である。5曲目「Bel Air 」と 6曲目「 Samba de Paris」は、Eastwoodがベースをウッドベースに持ち替え、中々味のある心地良いモダンジャズを聴かせてくれる。どうも彼は、ピアノトリオのような規模で、渋くウッドベースを弾くジャズの方が合っているような気がする。いずれにせよ、楽しみなミュージシャンであることは間違いないことであろう。