71年発表の4作目。リック・プライスが脱退してロイ・ウッド、ジェフ・リン、ペヴ・ペヴァンの3人となったMOVEのラスト作だが、ロックとクラシックを融合するというアイディアに基づいて結成された別のグループ、エレクトリック・ライト・オーケストラへの脱皮とも言うべき新装開店がすでに決定されており、本作はそのELOの試作品とも言うべき風合いに仕上がっている。録音時期もそのELOの1stと近く、前作に合ったエレクトリック・ギターを中心としたハード・ロック・サウンドは一気に後退しており、全く印象が異なる。ハード・ロック的な曲もあるが、前作より幾分ポップであり、それよりもフォーク的な楽曲の方が多く収録されている。ジェフ・リンの活躍は凄まじく、本作は楽曲的にはジェフの方が際立っている印象すらある。
1.は初期E.L.O.そのままの曲であり、重い雰囲気は前作を踏襲しているかのような印象も受けるが、ハード・ロック的な要素よりもフォーク的な要素の方が強い。2.は前作同様のハード・ロック路線を布いているが、メロディを重視したポップな曲に仕上がっている。3.もジェフによるフォーク・タッチの佳曲。リコーダーとコーラスが印象的だ。4.はベヴァンによるオールド・スタイルのロックンロール・ナンバー。8.はコミカルなカントリー調だ。ヴァイオリンのようにも聞こえるギターのプレイが聴きどころ。
本作は楽曲的には非常に魅力的なものが多く、無駄を省いたスッキリとまとまったアレンジによる聴きやすさという点においても優れているが、その分かなりあっさりした印象があることとELOの1stとの類似点からか、個人的には印象の薄い作品となっている。MOVEとしては激変しているだけに過渡期とは言えないのだけど正直に言えば、ELOの1stの方が楽しめるように思う。