「佳作」という単語を誉め言葉として使いたい.スムースジャズというのはややこしいジャンルで,生活の様々なシーンに邪魔となることなく溶け込む,あたりさわりのない凡庸さを極めることが一つの方向性としてある.BGMとして聴き流されることを良しとする.そんな能書きはどうでもいいが,本作を聴いて最初に感じたのはそういうことだ.
Ken Navarroは,ホームページによれば,"jazz's most soulful contemporary guitarist"だそうだ.本作では,基本的にはアコギを弾き,ところどころでエレクトリックギターも弾く.生音主体で,昔からフュージョン〜スムースジャズを聴いてきたようなリスナーにはとても馴染みやすい作品だと思う.ベースのGary Greingerは,John ScofieldのGramavision時代の"Blue matter"や"Loud jazz"で,ドラムスのDennis Chambersとともにむちゃくちゃカッコいい変態(誉め言葉)ジャズファンクを展開していた人だが,本作ではそういうところは微塵もない.Pat Methenyの曲のカバーもあるが,ほとんどは自分の曲である.結構カバーにはしるアーティストが多い中,好印象をもつ.特に,2曲目の音の重ね方は素晴らしい.
ジャケットをみると「静かな朝」ってなイメージが湧くが,本作の曲の曲調にはあまりそういうものを感じない.爽快感に満ちている.比較的簡単なメロディで構成された曲達は,ちょっとした中だるみ感をもたらすものの,ドライブのお供に最適でしょう.